百日咳(ひゃくにちせき)からベビーを守りましょう。

百日咳(ひゃくにちせき)という感染症をご存知でしょうか?百日咳菌という菌が原因となる感染力の強い感染症です。症状としては、咳・鼻といった感冒様症状から始まります。その後、コンコン、ケンケンといった苦しそうな咳が続くようになってきます。顔が真っ赤になり、咳が続くために息ができません。

特に生後3か月未満の乳児では重症化することもあり、無呼吸といって呼吸が止まってしまうこともあります。入院して人工呼吸管理が必要になることもあり、死に至ることもあります。成人の場合でも、治癒するまでに2~3か月かかる場合もあり、「百日咳」と呼ばれるゆえんです。

この百日咳はワクチンによる予防効果で昔にくらべると少なくなってはいますが、現在でも年間1万人くらいが罹っていると推測されます。最近のデータでは小学校入学後の患者さんの増加がみられ、また入学前のお子さんの百日咳抗体価(免疫力の目安)が低下していることが示されています。

そして乳児の百日咳感染症は、その75%が父親・母親・兄弟・姉妹といった家族から感染しているというデータもあります。6か月未満の乳児が重症化しやすいということを考えるとワクチンによって乳児本人の免疫力を上げることも大事ですが、家族が百日咳に罹らないようにすることも重要であると理解できます。次回は、百日咳の予防接種についてみていきましょう。