子宮頸がんワクチン(HPVワクチン)について(クリニック通信18号より)。

子宮頸がんワクチンは定期接種の1つです。 日本では2009年に承認され、2013年より定期接種が開始されています。海外では2006年から使われはじめ、現在100か国以上で公的な接種が行われています。イギリス・オーストラリアでは接種率約80%、アメリカでも50%以上の割合で接種されています。 日本では接種後広範囲な痛みや手足の動かしにくさといった症状がみられた例があり、因果関係が否定できないとして積極的な推奨はされませんでした。

今回、藤沢市保健所健康増進課から対象者のお子さんのご家庭にHPVワクチンの案内が送付されました。 厚生労働省からHPVワクチンの周知についての通知が発生され、併せてリーフレット等が示されました。 厚労省からの案内は、HPVワクチンを良く知って頂くために作成されたものであり、 接種を勧めるものではなく希望される方が接種できるよう、また予防接種の有効性と副反応などのリスクを十分にご理解して頂くためのものです(厚労省HP・藤沢市役所HPより)。

子宮頸がんの原因はHPV(ヒトパピローマウイルス)です。このウイルスは女性の多くが一度は感染すると言われています。ほとんどの場合感染しても自然に排除されますが、一部の人でがんになってしまうことがあります。そのため原因となるウイルスの予防接種と検診で子宮頸がんを予防する事が大切です。 副反応として多くの方に接種部位の痛みや腫れ、赤みなどの症状がおこることがあります。 まれに重い症状(アレルギー症状や神経系の症状)がおこることがあります。 すべてのワクチンには効果とリスク(副反応の可能性)があります。

当クリニックではガーダシルというHPVワクチン(4価)を接種します。 通常の推奨スケジュールは1回目→2か月後2回目→4か月後3回目(①→③まで6カ月) 定期接種年齢は小6~高1(推奨は中1~)です。 接種前に診察し、安全を期すために臥位で接種します。 臥位→座位で計30分ほど観察いたします。 ワクチンを接種した日は激しい運動は控えてください。

まずは子宮頸がんとHPVワクチンについて知っていただけたらと思います。 疑問や不安点などありましたらお気軽に医師やスタッフにご相談ください。 クリニックには資料や動画などがあります。 お子さまと一緒にご覧いただけます。