流行性耳下腺炎(おたふくかぜ、ムンプス)について。

現在、藤沢市では流行性耳下腺炎が疑われる患者さんがしばしばみられています。

この流行性耳下腺炎は、ムンプスウイルスというウイルスによる感染症で、片側あるいは両側の耳下腺をはじめとする唾液腺の腫脹を特徴とします。2~3週間の潜伏期間があり、通常は1~2週間で軽快します。

同部位の腫れと痛み、嚥下痛、発熱が主な症状ですが、注意すべき合併症として無菌性髄膜炎が挙げられます。高熱・頭痛・嘔吐といった症状が認められる場合があります。その他の合併症としては精巣炎、卵巣炎、難聴、膵炎などを認める場合もあります。

治療は対症療法が基本になります。安静や脱水予防のための水分摂取、薬物療法としては、痛みや熱に対しての解熱鎮痛剤が中心になります。

また学校保健安全法における取扱としては、「流行性耳下腺炎」は第2種の感染症に定められております。耳下腺、顎下腺又は舌下線の腫脹が発現したのち5日を経過し、かつ全身状態が良好になるまで出席停止とされています。それから幼稚園や保育園の場合、これを基本に個別のルールがある場合がありますので、診断をされ園に報告する際に登園の目安・ルールを確認されるとよいでしょう。