お子さんの肘内障(ちゅうないしょう)について。

先日、肘内障のお子さんがいらっしゃいました。みなさんは肘内障(ちゅうないしょう)ってご存知でしたか?

よくみられますのが、「転びそうになったので、手を引っ張りあげたら痛がって腕を動かさなくなった」や「兄弟で遊んでいたら、急に腕を痛がって動かさなくなった」というものです。

肘内障とは、肘の関節を取り巻くじん帯の一部がずれてしまい、お子さんは腕を動かそうとしなくなります。こちらが動かそうとすると痛がりますが、腫れや内出血は認められません。
上にご紹介したような訴えで来院された場合、肘内障が疑われます。肘内障では必ずしもレントゲンの撮影は要しないと教科書にはありますが、他の疾患(脱臼や骨折)が隠れていることもあります。そのような場合には整形外科への受診が必要となります。

クリニックで整復処置を行い、お子さんの痛みがとれ腕を動かしてくれるか、すこし観察します。ほとんどの場合痛みがとれ、お母さんのくびに両手を回したり、おもちゃを持てるようになったりして(動かせてる!)笑顔になってくれます。お母さんもほっと一安心です。

多い年齢は、歩き始めから5歳くらいです。手をつないでいてお子さんが転びそうになったとき、顔面や頭部を地面に強打しないことはもちろんですが、無理に引っ張りあげることを避けられるとよいですね。

繰り返す場合や、患部が腫れているなどの場合は肘内障ではない可能性がありますので整形外科への受診をおすすめいたします。