乳幼児の便秘について。

乳幼児期では、どのくらいの期間排便がないと“便秘かな”と思われますか。だいたい4~5日くらいでしょうか。

乳児期では、お子さんによっては、うんちの間隔(リズム)が開きやすくなる時期があります。ですから排便がないことに加え、お子さんが排便時にいきみが強かったり、哺乳(食欲)などが悪くなったりと排便に困難を伴わないかどうか観察しましょう。排便の困難がないようであれば、必ずしも便秘としてお薬を処方したりせず、おなかのマッサージや綿棒を使った刺激で様子をみる場合もあります。

便が出づらくなる原因としてどんなものがあるでしょうか。乳児期では、われわれ小児科医はまずよく哺乳ができているか、体重増加はどうか、などを気にします。しっかり栄養がとれていなければ、便もよく出ないというわけです(そのあとに、なぜよく哺乳ができていないか、と考えを進めます)。生まれてすぐからの便秘ではないか、とか乳児期の早いうちからおとなみたいな硬いうんちではないか、などにも注意します。

また、離乳食が始まったら出づらくなった、というお子さんもいらっしゃいます。相対的に水分・乳脂肪分の摂取量が減ったりすることや、離乳食が始まり摂取するメニューが変化することで出づらくなることもあります。

実際に便の性質が硬めとなってきて、出づらい・いきむ・つらそう・哺乳が悪くなる、といった困難を伴う場合には、さきほどのマッサージや綿棒刺激に加えて、お薬をつかっていく場合があります。

「浣腸やお薬を使うとくせにならないか?」と心配される親御さんは多くいらっしゃいます。もっともなご心配だと思いますが、「便秘がくせにならないようにしましょう」、と当院ではお話ししております。お子さんの排便の習慣や便の性質をお聴きし、からだの診察などをとおして、生活や食事の指導、処方などを行っていきます。お困りの際には、お気軽にご相談ください。